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「それが本当なら………大事件だ。」
「はぁ?」
「そいつは………『公魚』だろ。」
「だから犬だって」
誰が小さい天ぷらにすると美味しい魚挙げろっつったよ。犬の話してんだけど。
「そうじゃない。戦時中の日本軍が遺伝子組み換え軍用犬開発のついでに作った愛玩動物もどきの犬の一種で、ポメラニアンとプードルと鶯の遺伝子をごちゃ混ぜにした逸品だ。失敗が確実な実験のはずが、何故だか1体だけうまく生き残った個体が現れたらしい。文献によれば…異常に小さくかわいらしい犬の見た目と人懐っこい性格、特徴的な鶯のような鳴き声、緑色の毛が生えた足、とても高い知能などを持っていると。あまりのサイズの小ささに当時の学者たちが公魚という名前をつけたそうだ。まあティーカップサイズだったらしいから確実に比喩ではあるが。」
「え、」
「もし公魚やその子孫が発見されたら、日本だけじゃねえ、世界の遺伝子業界に多大な影響を及ぼすだろう。なんたって異種族間の――それも多種族の掛け合わせなんてやれた試しがねぇもんな。国の所有となった後、血の一滴、骨の欠片さえ残さず余さず有用に使われるだろうな。」
ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ
ひき肉が本当にひき肉になっちゃうってこと??????
それは嫌。俺はもうあいつに心を奪われちまったんだ……!!
「榊、もし、そのK君が本当にいるんだったら、連絡してすぐにその犬と飼い主の生徒を連れてこい。引き取るから。」
「いやいやいやいやいやいや超作り話です。めっちゃ作り話です。スーパーアルティメットウルトラ作り話。メイドイン榊。うんマジちょっとフリが鬼すぎて思わず作っちゃったぁハッハッハァー!!」
「チッなんだよてめぇ……」
焦ったじゃねぇかよ…と言い、カレーパンをかじる会長。
ふざけんな俺が一番焦ったわ。ひき肉にそんなめちゃくちゃ重い設定ひっ下げさせやがって。
あいつは一生進藤のもとでピィピィ幸せに暮らすんだよ。
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