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「部活か………」
「俺のオススメは柔道部と手芸部。柔道部は……割と全国的に強くて顧問の先生の押しも強いよ。手芸部は……廃部寸前で顧問の先生の押しも強いよ。」
「手芸部からも圧力かかってんですね。」
「そうそう、マジ大変でさぁ…とりあえず、これ部活一覧ね。兼部もあり。」
「あ、あざっす。」
渡されたのは1枚のA4のプリント。
ふむふむ。割と数はあるんだ。
「えーっと、運動部はなし、吹部もなし、体育会系のかほりがする物はなし………先生、この…漫画研究部と生物部と化学部とヤクルト部と文芸部と手芸部と家庭科部と合コン研究部と写真部とアニメ研究会と温泉同好会の中でどれがヤバいですか。」
「うーん………漫研アニ研写真文芸部はホモビかBL同人誌作る会になってるから危ない。生物部は生物の繁殖を学ぶって言ってヤッてる部だから危ない。化学部は媚薬とか危ないクスリとか作成するマッドサイエンスな部だから危ない。手芸部は顧問が危ない。家庭科部は化学部協賛の元、味のする化学物質をいかに気づかれずに料理に仕込むかを突き詰める部だから危ない………くらいかな。あ、顧問注意ね。顧問の質は部活の質だから。」
「合コンとヤクルトと温泉は大丈夫なの……?」
「合コン部は、いかにして女の子に気を遣わせない居心地のいい合コンを作るかを模索する部活だね。将来的には役に立つと思う。ただ全部員もちろん男だから、ディスカッションは結構虚しいと思うよ。」
「ヤクルトは?」
「ヤクルトを飲む会。」
「一番いかがわしそうな温泉は?」
「温泉を愛するマッチョが集う部だね。一番マトモな部だよ。彼らが入るお湯は山奥の秘境とかにあるから、温泉に入る前に運動として山登りがあるよ。」
「えぇ…どれにしよう……どれも入りたくない………せんせ一番楽なのってなに?」
「んー、ヤクルトかなー。なにせヤクルト飲むだけの部だし。」
「じゃーそれで。顧問って誰ですか?入部届渡さなきゃ。」
秒でサインを書きながら聞くと、
「んー?僕。」
「え?」
「顧問。僕。」
「……………」
「入部ありがとうね?」
顧問の質は、部活の質。
拝啓、千歳さん。
僕は、一番不安な部活に入ってしまったようです。
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