わかれる

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 コーヒー屋さんで、僕たちは、大きいサイズのコーヒーを頼んでふたりで分けた。  僕たちはいつもあまりお金がなかったから、そうしていた。  麦はこっそりとミルクキャンディーを舐めながら飲んでいた。  コーヒーに砂糖もミルクも入れない僕に、合わせてくれていたのだ。  初めて。  僕は麦に、ミルクキャンディーが欲しい、と言った。  麦は一粒くれた。  甘くて美味しい。  麦がいなくなっても、ミルクキャンディーは買うようになるかもしれない。  コーヒーを飲んだあと、麦は航空会社の機械でチェックインを済ませた。  預け荷物は無い。
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