最終章

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初めはダリルを拒否していたコンラッドだったが、ある時「ダリル殿下と友達になりたいんだけど……」と、しゅんとしながら言ってきた為「勿論よ。気を使わせてごめんなさい、コンラッド」と答えたのだった。 どうやらダリルを避けていることを気にして、友達になってもいいか悩んでいたようなのだ。 申し訳なさと共に、コンラッドが自分の気持ちを我慢する事はないと思ったのだ。 そして今ではダリルの親友兼、側近候補として毎日忙しく過ごしているようだ。 「ダリル、そろそろ教室に戻らないと……もうすぐ授業始まるよ?」 「そうだね。行こうか」 「うん」 麗しい二人のやりとりを見て、一人で「目の保養だなぁ」と癒されていると、激しい嵐は……突然やって来たのだ。 ーーーバンッ 教室中に響いた大きな音と共に扉が開く。 皆の視線が自然とその場所と集まった。 「はぁ、はぁ……やっと、見つけた!」 トリニティの天敵でもあるマロリーが肩を揺らしながら、Aクラスの教室に現れた。
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