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「はい」 如月が再び目を合わせてくる。 「三日月のモットーは」 「冷静と闘志を胸に」 「山本には言ったのか」 山本は俺の同期の高官だ。 「まだです」 モットーを口にしたことで落ち着いたのか、如月は冷静さを取り戻す。 「10分後には出発する。早めに言っておけ」 そう言い残し、ドアを開ける。 スパイ課は主にトップである長官と秘書、稀に統一官が情報を仕入れてくる。 その方法は秘密であり、統一官でもその中の選ばれた者にしか知らされないらしい。 如月はまだ少官で、教育を任されているのが俺だ。 正直、如月は裏に出て潰すより情報収集に向いていると思う。 過去、少官でありながら情報を仕入れる者に選ばれたことがある。 如月はその例に当てはまると思う。 しかし長官は如月を裏に出すことにした。 現在の長官はどの能力に特化している事を見抜くのが得意なのだが。
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