3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
3
ーおいっ！そこの女性、大丈夫か⁉︎ー
なんか、遠くで声が聞こえる気がする…
｢おい！生きてるか！？｣誰かが優衣菜の頬をペチペチと誰かが叩いているのを感じ、優衣菜の意識は浮上した。
優衣菜がうっすらと目を開けるとそこには白馬の王子様という表現がぴったりなほど整った顔、服の男性がこちらを覗き込んでいた。
｢え…｣何か不思議な夢を見ていた気がした。アリスティアとか言う声が、異世界に行ってもらうと言っていたような…
｢はぁ！！？｣優衣菜は徐々に思い出していき、パニックになった。
｢美しいお嬢さん、大丈夫ですか、？よければうちの別荘の一つで休んでいくと良い。｣
目の前の白馬の王子様はそう言って魅力的な提案をしてきた。
ここが現実にしろ、異世界というところにしろ、情報収集は大切だ。そう判断した優衣菜は、白馬の王子様にありがたくついていくことにした。
白馬の王子様はライオンのような空を飛ぶ奇妙な生き物を召喚し、一緒に乗るように促した。
｢それで空を飛ぶとか言わないわよね？｣優衣菜は怖々聞いてみることにした。
｢当たり前じゃないか。空を飛ぶに決まっているだろう？｣
｢そうよね、空なんて飛ぶわけないわよね、、、え？飛ぶって言った！？｣
｢なにをぐずぐずしているんだ。抜け出してきていることをバレては私が怒られてしまうのだ。早く乗りなさい｣
優衣菜は仕方なく乗ることにした。それ以外に手段はなさそうだし、ここで見捨てられたらどうしたらいいのかさっぱりわからなくなってしまうからだ。
とは言っても怖いものは怖いので、別荘とやらに着くまで、優衣菜は一回も目を開けることはなかった。
心臓がキュッとなるような感覚を経て、地面に着陸したらしい白馬の王子様は、優衣菜の手を掴み、そのままズンズンとでかい屋敷の中へ入っていった。
最初のコメントを投稿しよう！