5

1/1

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ

5

執事のような人に怪訝な目を向けられながら案内された部屋は、高級ホテルの最上階よりも広い部屋だった。大きなベッドが真ん中にあり、部屋の中は好きに使っていいと言われた。 「ねぇ、アリスティア。いるの?」優衣菜は色々と確かめたいことがあり、まずはあの不思議な夢が本当だったのかを確かめることにした。 −−−ハイ ユイナサマ アリスティア デゴザイマス−−− 夢ではなかったようだ。しかも、声の方を見てみると、直径10センチメートルくらいのロイヤルブルーのサファイアがキラキラと輝きながら浮かんでいる。 「…売ったらすごい値段になりそう…」 −−−ユイナサマ ナニカ オッシャイマシタカ?−−− 「い、いえ。なんでもないわ。それがあなたの本体なの?」 −−−ソウデスカ。 イイエ ワタシハ コンナニチッポケナソンザイデハ アリマセン コノカラダハ ノリカエカノウナ ウツワデシカナイノデス コタイバンゴウ デシキベツシテイマス−−− 「そうなのね。充分すごいと思うけれど。 それより、聞きたいことが色々あるの。」 −−−ハイ コタエラレル ハンイナイ デアレバ スベテ オコタエシマス−−− 「まず、この世界は地球ではないのね?」 −−−ハイ ベツノセカイデス−−− 「では、あのジェイソンとかいう人は信用していいのかしら。」 −−−ハイ ワルイヒトデハナイト ワレワレガ ホショウシマス−−− 「そのほかに言っておくことはない?」 −−−ワレワレハ テダスケヲ スルモノナノデ キカレタラコタエル デオネガイシマス−−− 「そう。いいわ。何か困ったら呼ぶことにする。それと、あなたのその体、サファイアって名前にしたらいいんじゃないかしら。美しいもの。」 −−−イイデスネ ヒビキガ キニイリマシタ コノカラダハ サファイア ト トウロクシマシタ ナヲイタダイタコトニヨリ キョウカラ サファイア ハ ユイナサマニ ツカエルモノト コテイサレマシタ アラタメテ コレカラ ヨロシク オネガイシマス−−− 「え、それってずっといるってこと?」 −−−ソウイウコトニ ナリマスネ キョウカラ コノコタイ サファイアノ アルジハ ユイナサマニ ナリマシタ−−− 「え、呼んだ時以外はいなくても大丈夫かなんだけど…」 −−−ソウデスカ ソレデハ ヨバレタトキイガイハ ベツクウカンニ タイキシテオキマスネ イツデモヨンデクダサイ−−− 「助かるわ。」 −−−ソレデハ シツレイシマス−−− そう言ってフッと光が消えたかと思うと、次の瞬間にはサファイアは既にいなかった。 「はぁ…ほんと理解が追いつかない…とりあえず寝ようかな、、、」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加