女×2.5=母

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「さてと!」 私は気合いを入れ、 ポットと小鍋二つに水を入れ一気にお湯を沸かす。ひとつの鍋には鰹だし、もうひとつには洋風スープ素、それぞれの鍋に野菜の余りをカットして冷凍した具材をぶちこみ、生姜を擦ってタレを作る。ボウルにはたらこをほぐし、次はサラダを作り始める。スープが出来たら次はフライパンで肉を炒め、鍋にポットで沸かしたお湯を入れパスタを茹でる。 耐熱皿に値引きされていたあさりを入れ調味料を振りかけレンジに入れる。 一気に料理が出来上がる、スープを火にかけ、温まるあいだにフライパンと鍋を洗い、だしの鍋が温まってから味噌をとかし入れれ青さを入れる。 「出来たよ~っ!」 今日も30分で作り上げたと自分を褒めながらテーブルに料理を並べた。 3人で席につき手を合わせ 「いただきます!」 時間は8時になっていた。 美理がフォークでパスタを丸めながら 「ねえ、今更聞くのもなんだけどさあ、母さんて何で30分で夕飯作るのに必死なの?」 光輝も青さ汁を飲みながら上目で私を見た。 私は淡々と「9時までに夕飯食べたいから」と答えた。 味噌汁を飲み込み不思議そうに 「なんで9時?」 「9時以降に食べると太るから!」 「ぷっ!」 娘がバスタを頬張りながら吹き出すのをこらえた。 「てかさぁ、あんた達グループメールなんだから食べたい物合わせてくれない?作るの大変だから!」 笑いを堪えて光輝が 「なら聞かなきゃいいじゃん、てかそれぞれに作らなくてもいいじゃん」 そんなのはわかっていた。仕事浸けで小さい頃から留守番させている子にせめて食べたい物をとがいつの間にかこうなってしまっていた。 「考えるのが面倒なの!仕事で頭使い過ぎて考えたくないから」 訳のわからぬ理由をつけた後、話を変えた。
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