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「で?美理の部屋は綺麗になった?」
「あ~、姉ちゃんの部屋、健康部屋じゃなくなったよ」
私は慌てて息子に言うなと目で合図をした時、
美理があさりをつまむ手を止め
「健康部屋って?」
息子が気まずそうに、でも観念して
「ん?母さんと言ってたんだよ、姉ちゃんの部屋に行くと色んな物踏んで足ツボ刺激するから健康部屋だって」
「はぁ~っ?」
呆れた顔つきで私と弟の光輝を見ながら
「それは~、昔からお母さんが仕事から帰って来て部屋が汚いと発狂したじゃん?だから何でもかんでも私の部屋にぶちこんでたから…」
「いやいや、姉ちゃん中学高校になってもだよ」
「部活で忙しかったから」
「じゃぁ大学は?」
「バイトで…」
だんだん娘の声が小さくなって行った。
「ふふん、どうせ次は仕事が忙しかったからだろ?」
息子はシメシメと言った顔で勝ち誇った顔をしている。
「美理、そんなんでちゃんと奥さん出来るの?」
明後日嫁ぐ娘に問いかけながら、2人並んだ顔を見てふと寂しさがよぎった。
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