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「あっ、でも俺この前友達と飲んでる時に言ったんだよ。俺は今まで母さんに勉強しろって言われた事ないって。そしたら驚いていた」
「確かに…」
美理は頷き私を見て
「何で?」と聞いてきた。
私は美理と同じパスタをフォークに絡めながら答えた。
「勉強も何でも自分がしたいと思わなきゃ身につかない事をわかってるから」
「「確かに…」」
息子が感心しながら
「それだけは母さんすげーよな」
「だけって何よ!」
「「あっまた怒った」」
「とにかく私、明日と明後日は休みとったから美理の手伝いするから」
「サンキュー!」
食事が終わり洗い物をしながら
「だけは、か…」
親の役目半分で娘を送り出す事に少し後悔しながら水道の蛇口を閉めた。
ひととおりの事を終え布団に入った。
さすがに娘を嫁に出す前の感傷に浸ってしまう。
娘の声が甦る。
何でお父さんいないの?
お母さん仕事ばかり!たまには遊んでよ!
友達のお母さんはいつもお家にいてくれる。
お母さんなんて私の気持ちわかるはずない!だっていつもいないじゃん!
お母さんは私達より仕事が好きなんだよね?!
いつの間にか眠りに入っていたらしい。
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