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「さぁ、始めよっか!」
プレートにキャベツ、キリイカ、揚げ玉を乗せしんなりするまで炒める。 その炒めた材料をプレートの中央に長方形に固める、真ん中にヘラを刺し中からヘラの角度をかえながら材料を押し広げて丸い土手を作る。その中にもんじゃの液を流し入れ明太子をいれる。もんじゃの液がピンクになるまで明太子をほぐしたら一気に野菜の土手と混ぜ合わせ、プレートいっぱいに広げる。そこに光輝が薄切りの餅を乗せる、美理がチーズを散りばめる。我が家の自然に出来たもんじゃの役割分担。
焼き上がるのを黙って見つめる3人。これも自然にそうなっていた……はず……。
「ねえ、この役割分担これからどうするの?」
美理が呟いた。
「姉ちゃんがいなくなって2人でもんじゃ焼きするかなぁ」
と光輝が言っている。
私はその会話を聞きながらいつかは1人になる事を考えていた。美理には私の考えている事がわかるのか
「ところで光輝、彼女いないの?」
「あぁ、なかなかねえ……会社の先輩が言ってたんだけど、女は子供を生むと平均2.5倍強くなるからなって言っていて、それを聞いた他の先輩は俺んとこは2.8倍!って言ってた」
「何それ?それに何その微妙な数字」
「3倍まではいかないとかなんとか」
「で?それと光輝が彼女がいないのとどう関係があるの?」
「だから俺は気の強さ限りなくゼロに近い子を探してる。ゼロは何倍にもならないじゃん」
「はぁ?そんな子いるわけないじゃん!一生結婚出来ないね!」
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