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美理はそう言って呆れた顔で私を見た。
その美理に
「そう言えば美理は一生結婚しないって言ってたよね?」と尋ねた。
「そうだよ姉ちゃん、私は独身を楽しむ!とか言ってたよね?」
もんじゃのヘラを口に運んでから私達を見てニカっと笑って誤魔化そうとしている美理に向かい今度は光輝の攻撃が始まった。
「な~に、運命の人に出会ったからとかぁ」
茶化す様に美理を覗き込んでいる。
「違うよ、夢があるんだぁ」
美理は笑みを浮かべ何か考えている様に目だけを天井に向けていた。
「「何それ?」」
「ふふっ、教えない!」
光輝の攻撃はそこで終わってしまった……。
「でもさぁ、弟よ!何倍の話に戻るけど、母って強くなきゃ出来ないんじゃない?ほらっ!」
2人の顔がこちらに向いた。
「だからさぁ、姉ちゃんわかる?俺の気持ち……こんな強い女2人に囲まれていたら自然とそうなるじゃん!拒絶反応ての?」
「「なにぃ~っ!」」
「す、すみません」
小さくなる光輝に美理が続けた。
「でも、覚えてる?小学校の時、お母さんが乗り込んで行ってくれた事件」
「あ~あれね、俺の濡れ衣事件。あの時は母さん最強!と思った」
「それからあれは?………」
また覚えてる話しが始まった。
私は卓球の試合を見てるかの様に話す2人を交互に見ながら聞いていた。
一通り終わった頃
「てか姉ちゃんどんだけもんじゃ食うんだよ!強さじゃなくて体が2.5倍になるぞ!」
「うるさいっ!」
これが、三人家族として食べる最後なの?とおかしくなった。
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