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アベルはリビングのソファの下で香箱座りをしていた。
晩ごはんを食べに出た以外、ずっとそこにいる。
瞳子はアベルが家に慣れるまで見守ろうと思っていたので、声をかけてから就寝しようとしていた。
「おやすみなさい、アベル」
瞳子が寝室に向かうとーー
ガターン‼︎
何かが倒れる音がした。
「何⁉︎」
瞳子がリビングに戻ると、テーブルに乗ったアベルが花瓶を倒していた。
瞳子はテーブルを拭き、花瓶を元に戻しアベルに話しかけた。
「アベル、これは食卓テーブルだから乗ってはいけないよ。約束して?テーブルに乗らない事。玄関に降りない事。これだけ守ってくれれば何をしても自由だから」
アベルは瞳子を見つめた。
瞳子の言っている事を理解しようとしているようだった。
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