8、解毒されました

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 このあいだはひとりで眠ったキングサイズのベッドで、今はとなりに男がいるのが不思議でたまらない。  別れたばかりなのに、これっていいのだろうか。  いや、別れたのだからいいだろう。  そんな相反する気持ちが交互に押し寄せて妙な背徳感を覚える。  私はこの状況を最大限に利用して彼とぴったりくっついて眠った。  それこそ恋人同士みたいに腕にしがみついて体をくっつけて頭を預けて。  そうしたら彼は優しく私の髪を撫でてくれて、心地よくて。  ああ、私はこういうことをされるのがたまらなく好きなんだなあって思った。  元彼の一方的な行為にいつも苦痛でたまらなかったから、触れ合いはそんなに好きではなかったのだけど、悪くない。むしろ、すごくいい。  私はまどろみの中でふと感じたことを口にした。   「なんだか不思議。つい最近出会ったばかりなのに、まるで同期くらい長く一緒にいる感じがする」 「……同期か」  彼は少し不満そうだ。  それがおかしくてつい笑った。 「だって運命を感じたなんて言ったら重いでしょ?」  冗談で言ったのに、彼はまたぼそりと意味深なことを口にした。 「それでいいのに」 「ん……?」  何を言っているのだろう?  やばい、だめだ。眠くなってきた。  あまりにも気持ちよくてもう無理。睡魔降臨。  意識が途切れる寸前に彼は何か呟いた。 「俺は……」  え? 何……聞こえない。  そのままどっぷりと眠りに入ってしまった。 ※この夜の詳細はスター特典にあります※
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