9、あの子はクラッシャー系女子

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「まだ、考えさせてください。もう少し落ち着いてから」 「そうか。わかった。無理強いはしないよ」  その返事を聞いてほっとしたと同時に少し残念な気持ちも拭えない。  だって千秋さんに恋愛感情はないのに体の関係だけで一緒にいたいなんて死んでも言えない!! 「最近、大丈夫? 変な電話来てない?」 「あ、はい。最近はまったく」  優斗からメッセージは来なくなった。  優斗の母もまったく電話をしてこない。  私が慰謝料の話を持ち出したからなのか、彼らは静かになった。  だけど、千秋さんは知り合いの弁護士を紹介してくれると言った。  私としてはあんまり大ごとにしたくないんだけど、何があるかわからないから今までのメッセージ履歴と留守電の録音を証拠として残している。  お願いだからもう面倒なことをしないで引っ込んでほしい。  だけどあの人たちがこのまま静かでいてくれるとは思えない。 「宇宙人だからいつ何を仕掛けてくるかわからない。注意しておかないとね」  私が今、言おうと思ったことを千秋さんが口にした。  しかも、真面目な顔をしてさらっと言ってくれる。
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