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「うわあ、大変だったねえ」
仕事のあとで会社から電車でだいぶ離れた居酒屋で美玲と落ち合って今日の出来事を報告した。
私はビールを飲み干して、グラスをとんっとテーブルに置く。
「意味わかんない。何なの? あの嫌がらせ。しかもあの子、私に説教してきたのよ? 優斗を傷つけた私が悪いって。こっちが傷つけられたってのに!」
刺身の盛り合わせがどーんっとテーブルに置かれた。
マグロに鯛にサーモンにカニまであるし、これはもうやけ酒ですね。
「あのさ、もしかしてだけど……」
「うん?」
鯛をもぐもぐしながらうなずく。
美玲はビール瓶を片手に眉をひそめて言った。
「あの子、クラッシャー系女子じゃない?」
「え?」
美玲がスマホでその情報を私に見せてくれた。
クラッシャー系女子。
主に恋愛において人間関係をめちゃくちゃに破壊する女子のこと。
(男子にもいる)
「だってさ、ただの浮気相手なら略奪できた時点で満足するじゃない? 別れさせることに成功したあとにいちいち前の女に嫌がらせしてくるなんて狂気の沙汰よ」
何それ、めちゃくちゃ怖いんですけど。
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