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紗那が出ていったあと、乃愛が転がり込んできた。
このまま乃愛と暮らしてもいいと思っていたが、1週間もすると嫌気が差した。
乃愛は何もせずリビングのソファに寝転がってスマホばかり見ているのだ。
「なあ、腹減ったから何か作ってよ」
「えー? やだぁ。だって乃愛、料理できないもん。あ、このバッグ可愛い~買っちゃお」
優斗はうんざりしていた。
(あーくそ。こういうとき紗那は素直に言うこと聞いてくれるのにな)
優斗は食品棚からカップラーメンを取り出し、湯を沸かす。
(ていうか、起きたらメシできてるのがフツーだろ)
優斗はイライラしながら沸いた湯を注ぐ。
蓋をしてスマホを手に持ちゲームをしながらふっと笑った。
(まあ、いいか。同居すればぜんぶ母さんがしてくれるしな。乃愛も俺の母さんに教育されれば何とかやるだろう)
突如インターホンが鳴り、乃愛がパタパタと玄関まで出ていった。
「どうもー、〇×▽ピザで~す」
「はぁーい。お待ちしてましたあ!」
優斗は目を見開いて「は?」とぼやいた。
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