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「だいたい、優くんもあたしにプロポーズしてないじゃん? それなのに、いきなり親呼ぶの意味不明すぎー」
乃愛が軽い口調でそう言って笑っているところに、優斗母が割り込むようにして叫んだ。
「優斗、これは一体どういうことなの?」
優斗はおろおろしながらとりあえず乃愛を責め立てる。
「乃愛、いい加減にしろよ。俺はお前のために紗那と婚約破棄したんだぞ」
乃愛は肩をすくめてため息をついた。
「あたし、そんなこと頼んでないし。優くんちょっと頭おかしいんじゃない?」
乃愛の言葉に激怒したのは優斗母だ。
「あなた、うちの優斗に向かってなんてこと言うの?」
優斗母が怒鳴りつけるも、乃愛はまったく動じることなく、むしろクスッと笑った。
「優くんママ、子離れできてなくないですかぁ? 恥ずかしー。うちの優斗だってーぷふふっ」
優斗母は怒りのあまり拳でソファを二、三度叩いた。
そして目を血走らせながら優斗に向かって叫ぶ。
「何なの? この子は! こんな失礼な子は見たことがないわ! これなら紗那さんのほうが数倍マシよ!」
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