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すると乃愛がすかさず反応する。
「別にぃ、許すも許さないも、乃愛は優くんと結婚なんてしませんしー。なんなら、もう用済みって感じ」
「なっ……お前っ!!」
今度は優斗が乃愛に向かって声を上げる。
「お前じゃないし。優くん、ちょっと失礼だよねー。乃愛のことお前なんて呼ばないでよ。彼氏でもないのに図々しいよね」
「お前のせいで俺は紗那と別れることになったんだぞ!」
「えー? それ乃愛のせいじゃないよね。優くんが浮気したんじゃない。それに、優くんの親がこんなんじゃ、誰も嫁なんてならないよぉ」
優斗と母は同時に頭のてっぺんまで真っ赤になり、歯をぎりぎり食いしばりながら反論しようとする。
しかし、乃愛がすぐに続けて言った。
「てゆーか、嫁って言葉も乃愛あんまり好きじゃないんだよねー。女のことなんだと思ってんだろ。ま、いいや。乃愛には関係ないし」
乃愛は立ち上がって自分のバッグを手に持つとふたりを無視して部屋を出ていく。
「どこ行くんだよ?」
「え? だって、えっちできないなら一緒にいる意味なくない?」
乃愛は優斗に背中を向けたままさらりと言った。
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