11、元カレがロミオになった

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 優斗母に対してはもう突っ込みも忘れるレベルでただ無の感情になった。  腹を立てたり悩んだりするのも無駄。  私は淡々と優斗母のメッセージを保存しておいた。  一週間ほど経つと、周囲の反応も薄れてきて、私はとにかく仕事に邁進することにした。  あれ以来嫌がらせもなくなったし、みんな結局自分のことで忙しいから他人に構ったりできないのかもしれない。  それか、私に関わらないようにしているのか。  たまーにこっそり嫌味を言う子はいるけど。  私が書類の間違いを指摘すると若い子はその場で謝って立ち去ったあと、こっそり誰かに愚痴をこぼすのだ。 「あたしも呼び出されていびられるかも」 「こわーい!」  美玲と休憩スペースでコーヒーを買って飲んでいたら、私の悪口を話している子たちに出くわしてしまった。  やっぱり陰でこそこそ言われてるよね。 「こら、あんたたち聞こえてるわよ」  美玲が彼女たちに向かって声をかけると、みんな逃げるように立ち去った。 「美玲がいなかったら会社辞めてたかも」 「あんたは何も悪くないでしょ。堂々としていればいいのよ」 「あの写真……」 「誤解なんでしょ。紗那がそんなことするはずないもんね」 「うん、ありがと」  ひとりでも味方がいるから、私はまだ、辞めずに済みそうだ。
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