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「気持ち悪っ」
最後のメッセージを見た瞬間に心の底から飛び出した言葉がうっかり口から洩れてしまった。
愛してるなんて表面的な飾りの言葉を並べ立てて自己陶酔するのもいい加減にしてほしい。
朝から気分の悪いものを見てしまった。
布団の中でスマホ画面を見つめていると、背後から腕が伸びてきてスマホを取り上げられてしまった。
「……千秋さん」
「ふうん、なかなか面白いね」
彼は胸もとが大きく開いたシャツを身につけた状態で寝転び、仰向けで私のスマホを見ている。
「そうやって見てると落としたときに顔面直撃しますよ」
「あはは。それ、わかる。俺もやったことある。結構痛いよね」
彼はけらけら笑いながら私のスマホ画面をスクロールした。
ここ最近は彼と私がお互いの部屋に泊まったりしている。
というのも私が精神的に落ち着かず、眠れない日が続いていたからだ。
千秋さんと一緒にいると眠れる。
恋人でもないのにこんな関係はどうなのだろうと思うけど、彼はまったく気にする様子もなく、ただ私のそばにいてくれる。
好きでもない女と寝れるなんて、彼も遊び人なのかなって思うときもあるけれど、今は彼の優しさに甘えていたいと思ってしまう。
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