11、元カレがロミオになった

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「いつまで既読無視していればいいですか?」  私は千秋さんに訊いてみた。  いい加減にブロックしたいと思っているからだ。  すると彼は私にスマホを返しながら横向きで笑みを浮かべた。 「もう少し泳がせてみよう。そのうち向こうからアクションがあるから」 「え?」  アクションって優斗が私に何かをするってこと?  そんなの怖すぎるんですけど。  私が不安げに見つめると、彼は上半身を起こして腕を伸ばし、私の髪をくしゃっと撫でた。 「大丈夫。何があっても君を守るから」  その言葉にどきりとする。  彼は私と付き合おうなんて言うし、そんな期待させるような言葉も口にするし、一体何を考えているんだろう?  私たちはバーで初めて会っただけだよね?  彼がそんなに私に親切にしてくれる理由がいまいちわからない。  もしかして、詐欺じゃないよね!?  だってあまりにも別れさせ方に長けているような気がするから。  あ、もしかして副業で別れさせ屋とかしているのかな? 「千秋さん、副業してます?」 「え? いきなりどうした」 「何でもないです。忘れて」  毎日優斗から頭のおかしくなるようなメッセージが来るから私の頭が本当におかしくなっているのかもしれない。
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