11、元カレがロミオになった

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「は? 誰あんた」  優斗は眉をひそめて千秋さんを睨みつけている。  対する千秋さんもいつもの余裕ある感じではなく、少し強張った表情をしている。  次の瞬間、千秋さんはとんでもないことを優斗に告げた。 「俺と彼女は付き合っている」  私と優斗は同時に「え!?」と声を上げた。  周囲が少しざわつき始めた。 「なんだ? 朝から喧嘩か?」 「え? 修羅場?」 「てか、うちの会社じゃない?」  優斗は他人の目にようやく気づいておろおろし始めたが、千秋さんはまったく動じない。  さすがに私も恥ずかしくなって周囲に目を向けたあと、千秋さんにこそっと声をかけた。 「みんなが見てます」 「見せてやればいいよ。俺と君が付き合っていることを多くの人が証明してくれる」 「いや、恥ずかしすぎるから!!」  まさか、こんなことになるなんて思ってもなかったので内心焦りが込み上げる。だって、私は今、社内で最悪な印象なのに千秋さんを巻き込んでしまう。  彼のイメージに傷をつけてしまうかもしれない。そんな不安がよぎってしまったが、当の本人は本当に気にしておらず。 「君は元カレだよね? 未練がましく俺の恋人に連絡してくるのをやめてもらえる?」  千秋さんの言葉に優斗があんぐりと口を開けて絶句した。
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