12、決着つけましょう

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「千秋さんはよく私のことを覚えていましたね」 「ああ。だって、俺と目が合った女性はみんな注目するのに君はスルーしたから」 「はっ!?」  え、何それ、つまり……イケメンでモテると自負している自分を見てくれなかった稀有な女ってことで記憶されていたんですかね?  うわあ、いろいろツッコミたい……。 「あのう、前から思ってるんですけど、自分で自分をかっこいいって公言するなんて恥ずかしくないですか?」 「下手に謙遜するよりいいと思うけど?」 「ま、まあ……たしかに」  目もくらむほど美人の女性に「私はぜんぜん綺麗じゃなくてー」なんて言われたらたしかにイラッとするのは否めないが。 「そのときショックを受けて、大和撫子が好むイケメン男子を研究した」 「そんなに? ていうか、言葉のチョイスがいちいち面白いんですけど」  私がくすくす笑っていると、彼はワイングラスをテーブルに置いて、少し私に近づいた。お互いの肩が触れてどきりとする。  すでに触れ合った関係で今さらなんだけど、今日は妙にドキドキした。
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