12.5 ~CHIAKI side 。:.゚。+。 ゚+.

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 これは紗那と再会する少し前のことだ。  この日千秋は酔っていて、バーの店長に愚痴をこぼしていた。  すると店長は呆れ顔で千秋に訊ねた。 「お前いつまで彼女を追いかけるつもり?」 「うるさいな。見守っているだけだ」 「彼女を尾行してるだろ」 「たまたま、偶然、町で見かけただけだ」 「なんでたまたま見かけた場所が産婦人科なんだよ。おかしいだろ」  千秋はグラスの酒を飲み干してテーブルにダンッと置いた。  この日、千秋は見てしまったのだ。  紗那が産婦人科から出てくるところを( ※ )  それで彼は壮大に勘違いした。  紗那は婚約者の子を妊娠しているのだと。  そのことに大きなショックを受けて立ち直れなくなり、ひとりで飲み屋を梯子して酔い潰れたのだった。 「もう諦めるしかないのか」 「そうだな。諦めろ。お前ならすぐ他に相手が見つかるよ」 「紗那ちゃんでないとだめなんだ!」 「紗那ちゃんて……」 「海外にいるあいだ彼女のことを忘れられると思った。しかし、戻ってきて偶然彼女を見かけたら、恋心が再燃した!」 「いちいち中学生みたいな発言するなよ。イメージ総崩れするぞ」  ※紗那が産婦人科に行った理由はピルを処方してもらったから(P24参照)
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