13、これで本当にさようなら

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 すると川喜多さんも優斗母の発言をスルーして鞄から書類を取り出した。  そして彼は淡々と述べる。 「優斗くんが婚約期間中に不貞をおこなった証拠があります。そちらの有責により、おふたりの婚約を解消することになります。つきましては慰謝料についてですが……」 「いい加減にして! 慰謝料慰謝料とこの前からしつこいわね! 結婚を控えたカップルがただ喧嘩しただけでしょ!」 「ただの喧嘩ではありません。こちらをご確認ください。優斗くんはこちらの女性と不貞関係にあります」  川喜多さんは優斗と乃愛の写真と乃愛の匂わせ投稿写真、そしてふたりのメッセージのやりとりの証拠を出して告げる。 「そして、婚約者である紗那さんへの暴言の証拠がこちらです」  そこには優斗から届いたメッセージの記録がすべて羅列してある。さらには優斗母から来たメッセージも添えられていた。 「紗那さんを攻撃し、精神的に追い詰めたことによる慰謝料も発生します」  優斗母が何か言おうとしたが、それを遮るように優斗が声を荒らげた。 「俺は紗那を攻撃してない! 恋人として紗那に愛情表現しただけだ」 「では、これは何ですか? 彼女への脅し文句の証拠もありますよ」 「それは紗那が俺を無視したからだ。誠意を踏みにじられたんだ。怒って当然だろ?」  優斗は腕組みし、わざとらしく胸を張ってこちらを見下すように睨んだ。
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