13、これで本当にさようなら

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 私は動揺しながらも、どうにか優斗と目を合わせて訊ねた。 「責任?」 「ああ、そうだ。紗那が俺と別れるなんて言うからこうなったんだ」 「それなら別れる原因を作ったのはあなたよ」 「俺が浮気した原因は紗那なのに。紗那は同棲してからうるさくなった。昔みたいに素直で可愛い紗那がいなくなった。俺はそれが耐えられなかったんだ」  優斗は涙ぐみながらすがりつくように私に訴える。 「なあ、俺が全部悪いのか? こういうのはお互いに非があるもんだろ。俺だってこんな家に住みたくないんだ。同居なんて俺も嫌だったんだ」  今さら何を言い出すのだろう。散々私に暴言を吐いておきながら今度は同情を引くやり方ですか。  そんなもの通用しない。 「お願だ、紗那。別れないでくれよ」  優斗が私に抱きついてくる勢いで迫り、とっさに川喜多さんが口を挟んできた。 「優斗くん、紗那さんに接近……」 「山内くん!」  私は川喜多さんの発言を遮るように、わざと優斗を名字呼びした。  優斗は驚いて目を見開き、硬直する。  私は冷静に、静かに告げた。 「私はあなたに対して、もう同情も愛情もないのよ。昔の私とかどうでもいいの。美化した思い出にすがらないで。現実を見て」 「ううっ……紗那」 「気安く名前で呼ばないでください」 「待って……待ってくれよ……」  私に伸ばしてきた彼の手を、私はただ冷たく眺めて、最後に言った。 「さようなら」
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