1、私はただの家政婦ですか

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「妊娠すると困る。今いっぱい仕事抱えてるし、体調が不安定な状態で結婚式を迎えるのも不安だし」 「気にしすぎ。世の中には妊婦で結婚式してる女いっぱいいるよ? てかさー、そういうこと言うなよ。マジ萎えるわ」  なぜ優斗は私の身体のことを考えてくれないのだろう。   これって妊娠中も体調悪くなったら文句言われるのかな。  優斗はわざとらしくため息をつく。 「紗那は相手を思いやる気持ちが足りないよね」 「えっ?」  どっちが? ねえ、どっちが!? 「こんなムードぶち壊しばっかされるとやる気なくす」  なに、なに、なに!?  優斗、私の予想以上に自分のことしか考えてない! 「なんか俺、マリッジブルーだわ。結婚しても仕事があるからとか言われて拒否られんのかなー」 「しないとは言ってないよ。でも家族計画は立てたほうがいいと思う」 「子どもは何人いてもいいって母さんが言ってたよ」  また、お母さん。  そうやって何か都合が悪くなると義母と私を比較する。
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