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それでもずっとトイレに引きこもっているわけにはいかない。
重い足取りでリビングに戻ると、優斗はテレビを見て爆笑していた。
私の気配を悟った彼は振り向きざまに眉をひそめる。
「俺、腹減ってんだけど、早くしてくんない?」
ぶちっと頭のどっかの線が切れた。
黙って優斗の近くへ行き、ソファに座る彼の顔をじっと見下ろす。
「は? なんだよ。また母さんへの不満? いい加減にしろよな」
「いい加減にするのは優斗だよ!」
私が怒鳴り声を上げたせいか、優斗は驚いて目を丸くした。
だけど、私のこのぐちゃぐちゃな感情は制御できない。
「どうして同じように働いているのに家事ぜんぶ私がしなきゃいけないの? せめて家賃負担してよ! 私だってフルタイムで疲れてるのに、どうして優斗はゆっくりできて私が料理しなきゃいけないの! 毎朝優斗のお母さんの相手して、こっちは疲弊してるの! それなのに同居しろって? ふざけるなって言うの!」
言いたいことをぶちまけたあと、やってしまったと思った。
だけど後悔はしていない。
もうこれ以上我慢する必要なんてないんだ。
だって、私たちはもうとっくに破綻している。
さっきの乃愛とのメッセージを見たときに、私の中でひとつの覚悟ができたから。
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