3、見知らぬ男と過ごした夜

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 目が覚めるとやけに静かな空間だった。  窓を閉め切っているので今が朝か夜かはわからない。  薄暗い室内にぼんやりオレンジと白の照明が照らされ、かなり広くて柔らかいベッドは天蓋付き。  壁にはヨーロッパの街が描かれた絵画。  立派なソファとテーブルに巨大テレビモニター。  比較的美しいラグジュアリーなラブホテルだ。  そう、私はビジネスホテルではなくラブホテルに泊まっていた。  で、布団をめくると私は下着姿。  全身から冷や汗が噴き出した。 「う、うそでしょ……まさか」  初対面の男とワンナイトしてしまった。  いやでも素性はわかってるし……ってそうじゃない。 「記憶がない」  慌てて思い出そうとしても最後の記憶はベッドにダイブしたところまで。  うわあ、一番大事なところの記憶がないなんて。  がちゃりと扉が開くと、月見里さんがバスローブで部屋に入ってきた。  どうやら浴室を使ったらしく濡れた髪をバスタオルで拭いている。  濡れた髪とか、最高にえろいですよね! 「やあ、起きたんだね。爆睡してたからさぞや気持ちよく眠れただろう」  うん? 気持ちいい記憶がないんです。
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