4、引っ越し先を探します

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「月見里さん、相当自分大好きですよね?」 「そんなことないよ。毎朝起きるたびに落胆してる。今朝は寝ぐせを直すのに苦労したよ。跳ねてない?」  わざわざ頭を傾けてそんな自虐を放つ彼に私は思わず笑いが洩れた。 「そういえばちょっとここだけ盛り上がってる気がする」 「失敗した。許してくれる?」 「なんで私の許しが必要なんですか? おかしーもう!」 「女性の前では完璧にしておきたいんだ」 「あら、それは残念でしたねー。私に失敗したとこ見せちゃって」 「ああ、君にしか見せていない」  エレベーターが停止階で止まったので、彼は扉を開けて「どうぞ」と言ってくれた。  なんか今の彼の言葉が妙に気になったけど、面白かったからまあいっか。  案内された部屋は10階の端っこ。  1LDKの16畳で全室フローリングの対面キッチン。  風呂場もトイレも一度も使われた形跡がない新築のまま。  バルコニーから景色が一望できるし解放感抜群だ。  どうしよう、こんな物件見ちゃったらよそに行けない。
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