6、つかの間のなごみ

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「月見里さん、まるで遊び人みたいな発言ですよ。そんな簡単に……」 「そんなことないよ。俺、付き合っているときはひとりしか相手にしないよ」 「それフツーですから!」  あ、でもそれができない人もいるんだから、フツーなんて言っちゃいけないのかもしれない。  突如、私のバッグの中でスマホが鳴った。  また優斗かもしれないと思ったけど一応確認してみる。  しかし、なんと『優斗の母』だった。  思わず「うわっ」と声を上げてしまった。  電話に出ようか迷っていると、留守電に切り替わった。  結構長いあいだしゃべっているようだ。 「彼?」 「の母親です。毎日電話が来るんです。はぁ、憂鬱……」  やっと電話が切れたようなので、嫌だけど留守電に入ったメッセージを確認することにした。 「スピーカーにして再生して」  月見里さんがそう言うので、私はその通りにした。  すると、いつもよりうるさい金切り声が響き渡った。 『紗那さん、あなた優斗を残して出ていったんですってね?』  出ていったというか、別れたんですけど。  これはきちんと私から説明しなきゃいけないやつかな。  きっと優斗はすべて私が悪いということにしているだろうから。
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