6、つかの間のなごみ

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「とりあえず、その留守電も消さないでおこう。完全に縁が切れるまではね」 「はい、そうします。いろいろありがとうございます。おかげで、少し気持ちが楽になりました」  ひとりでこんな攻撃をまともに食らっていたら、きっと心が潰れていたかもしれない。 「よかった。君はそんなところにいていい人間じゃないよ」 「……はい?」  月見里さんはずいぶん私のことを知っているような口ぶりだけど、私たちまだ数回しか会っていないよね? 「買い物を済ませたら今夜は何食べる?」 「え? いや、あの……」 「美味い店をいろいろ知っているから大丈夫」  そういうことじゃないんだけど。  何さらっとデートの約束しようとしているの?  これも元気づけてくれているのだろうか。  にっこり笑ってそんなことを言う彼に、これ以上返す言葉が見つからなかった。  月見里さんが次々とツッコミの追いつかないことをしてくれるので、私は悩んだり悲しんだりする暇がなかった。  このままスムーズに事が進んでいくような気がしたけれど。  それは甘かった。
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