7、毒にやられまくった日

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 どうしよう。このまま黙って出ていったほうがいいのかもしれない。  だけど、私の胸の内はどろどろしたもので渦巻いている。 『お前、性格悪いよ? 人としてサイテーだよ?』 という優斗の言葉がよみがえる。  母は額に手を当てて険しい表情で苛立ちを口にする。 「ああ、もう、どうしてこんなにうまくいかないの? これ以上あたしを困らせないでちょうだいよ。よそのうちの子は問題なくうまくいってるのに。どうしてうちだけ、ふたりともこんな……失敗したわ」  頭の中に母の「失敗したわ」の声が何度も鳴り響く。  軽いめまいがして、胸に渦巻くどろどろしたものが静かに爆発した。   「どうすれば成功だったの?」  私が真顔で訊ねると、母は眉をひそめた。 「もういい加減にしてよ。私はあなたの都合のいい子どもじゃない」  父が驚愕の表情になり、母の顔色をうかがった。  でも、もう遅い。  母はつかつかと私に近づいて、手を振り上げると思いきり私の頬を引っぱたいた。  優斗のときは避けられたのに、母のときは固まって動けなかった。 「親に向かってなんてこと言うの!」  ああ、もう怒りの感情もない。  ただただ、失望感が襲ってくるだけ。  悲しい。悔しい。寂しい。苦しい。  大声で泣きたい。  でも、そんなことは今までに散々やってきた。  それでもすべて無意味だったから、もう親の前で涙なんか出ない。
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