7、毒にやられまくった日

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 家を出たら雨が降っていた。  きっと通り雨だろうから少し待っていればすぐやむだろう。  けれど、もう実家に1秒もいたくなかったから、私は雨の中を歩いた。  ずぶ濡れの状態で電車に乗り、着いた頃には雨はやんでいた。  新しく入居したマンションに帰り着く。  私の部屋は10階だけど、エレベーターで15階を押した。  ぼんやりしながら足が向いて、インターフォンを押したらすぐに、月見里さんが出てきた。  彼は私を見て驚いた顔をした。 「何かあった?」 「あー、えっと……ケジメつけてきました」  ぼんやりした頭でそう言うと、彼は笑顔で言った。 「そう。頑張ったね」  やばい。これはやばい。  ずっとギリギリのところで破裂寸前になっていた私の心は、彼のたったひとことで崩壊した。 「泣いても、いいですか?」  言っている途中に涙がぼろぼろこぼれて、たぶん顔はぐしゃぐしゃになった。  嗚咽を漏らす私の頭を彼は撫でてくれた。  そうだ。私はこうやって誰かになぐさめてもらいたかったんだ。 「寂しい……寂しくて寂しくて、死にそうです」 「大丈夫、大丈夫」  彼はそう言って私の頭をなでなでしてくれた。
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