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「そんなことねーよ!」 「そうかい?」 「そりゃそうだろ。……だから、それは、その、こっちの体の都合というか……」 「分かってるよ。そうだ。話は変わるけど、きみ試験の方は大丈夫なのかい?」  思い出したように奏人さんは言う。 「大丈夫だよ。元から今年はそんなに取ってねーし。レポートのはもう書いたし、試験もあと2つだけど多分平気。最悪全部落としても単位は足りてるから」 「落とすのはやめてくれよ。誰も知らないとはいえ、学内の関係者と付き合っててそのせいで単位を落としたなんて頂けない」 「最悪でも、つっただけ。大丈夫だよ」 「なら、いいけど」  奏人さんは杯を置いて、何か考える顔をする。 「……心配ないって。ホントに」 「ああ。いや、そうじゃなく。……試験が終わったら卒論諮問だし。それが終わればきみもいよいよ卒業かと思ってた」  ……あ……。 「卒業祝いも何か贈りたいけど、その前に誕生日だね。次に会うまでに考えておくけど、きみの方でも何か思いついたら言っておくれよ」 「……うん」 「……他人の僕でもそんなだから、ご両親は尚更だと思うよ。一人息子のことだし。二十歳を過ぎたって、いつまでも変わらないものじゃないのかな」
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