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「湊君、もう怒ってない?」
「怒ったつもりはないけど、頭に血が上っていたみたいだ。ごめん……」
隣に並ぶ隼人の肩に頭を乗せた。俺なりに反省しているから、甘えてみると耳に手が添えられた。
「……気にしてないよ。湊君、実家にいた猫みたい。こうやって頭を擦りつけてきたんだ、懐かしいな。ねぇキスしてもいい?」
「うん」
了承すると同時に、ソファの背に押しつけられるようにして口づけられた。キスだけだと思っていたのに、胸の尖りをカリカリと引っ掻かれ、次の段階に進むのだと察した。
「んぁ……キスだけじゃ……ないじゃんっ」
「湊君が可愛いのが悪い」
指先が足のあいだをまさぐっている。キスで兆したそこをズボンの上から撫でられると、苦しいほどに突っ張った。
「早くチャック開けてくれ。じ、焦らすなよ……!」
背に腕を廻して正面から睨むと、フッと目の端が緩められた。
「そんなに可愛く命令しても、ねだってるようにしか見えないよ」
言うと同時にチェックが緩められ、ぬめった性器を擦り上げられる。昨夜セックスをしたが、他人に体をさわられるのは驚くほど気持ちが良い。きっとこいつに心を許しているからなんだろう。根元付近をこするだけだった愛撫が、次第にカリの周りや裏筋中心になってきて俺を追い上げた。
「あっ、そこ。もっと擦ってくれ……!」
背もたれに押しつけられる格好で、隼人にしがみつく。片手で器用に性器を転がし、もう片方の手で乳首をキュウッと摘ままれた。
「うぁんっ」
「可愛いよ湊君。もっと乱れて、僕に蕩けた顔を見せて……」
「と、とろけっ!?」
鈴口に溜まった先走りを広げられた。気化熱のせいでスッと冷えた刺激が堪らない。
「あぁっ!」
達する手前なのに気付いているのだろうか。仕上げに尿道口をグリッと押さえつけられ、性器から白いものがあふれ出た。
すかさず近くにあったティッシュペーパーで拭ってくれたから、ソファを汚さずに済んでホッとした。
「気持ちよかったね。……後ろにも欲しいでしょう?」
見透かした顔をする隼人の視線に、カッと頬が熱くなる。実際、待ちぼうけを食わされた後孔が切なくなってきていた。キュンと鳴いているようだ。
「昨日入り口をしっかりほぐしたから、今日はいきなり前立腺を弄ってもいいよね……」
ズボンをずらされ、後ろに指が忍んでくる。くちっ、という粘着音がして一層顔が赤くなる。
「湊君のここ、もうすっかり準備出来てるね」
「やめろ、言うな……、あ、ぁンっ!」
まともな言葉を紡げなくなったのは、隼人の指に翻弄されたからだ。最初は前立腺の裏をトントンと叩くように刺激し、次は指の腹で愛おしむように撫でられる。どちらも最高に気持ちがよくて、隼人のニットを握りしめながら短く喘いだ。
「ここ弄られるの好きだよね。すごく蕩けた顔になってる」
ちゅっ、と額にキスした隼人が、俺のシャツを脱がせて乳首を舐めはじめる。久しぶりにセックスした昨夜だって、ここまで念入りなことをしなかった。なにが隼人に火を点けたのだろうか。
「このまま雪が降り続いたらいいのにね。ずっと湊君と一緒にいられるから」
前立腺に当てられた指先がリズムを刻みはじめる。トントン、とまるでノックされているようだ。
「もう挿れていいよね? 湊君の中に入りたい」
ヒタリと後孔に充てられた隼人のモノはすっかり兆していて、はじめは遠慮がちに、途中からはスピードを上げて挿入(はい)ってきた。
「あったかくて気持ちいい。……湊君の中トロトロだよ」
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