3.隼人に愛されて

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 グリッと中に収められたモノを捻られ、腰に電流が走った。尻の皮膚すべてが毛羽だってゾクゾクする。 「あぁッ、やぁ……っ」  こんなの初めてだ、と涙目で隼人を見上げると組み敷いた隼人の瞳が光る。 「湊君も気持ちい? 何度もセックスしたけど、今日ほどいい時ってなかったよね。もっと突いていい?」  コクコクと頷くのが合図のように、最奥をめがけて激しく性器を打ち付けられた。というか、今隼人のモノはどんなに大きくなってるんだろうと思えるほどの質量だ。金属のように硬くて、膨張している。 「こんなにエロい体して、東京に帰らせるのが心配になるよ。ね、もっと僕とのセックス覚えてて。前立腺の裏、好きでしょっ……!」 「あっダメッ、おかしくなる……なるから……ぁあっ!」  俺の弱いところをめがけて性器を打ち付けるたび、パチュンと接合部からいやらしい水音がする。これは本当に俺たちが出している音なんだろうか。男同士が出す音とはとても思えない。俺が声を出したり身を捩らせて反応するたびに、隼人はそこを再度穿ってくる。おまけに胸も吸ったり噛んだりするから、腰から下と連動して余計に感じてしまう。 「湊君、湊……っ! どこにも行かないで、ずっと僕のそばにいて」  真面目な顔でそんなことを言うものだから、頷いてしまった。それが余計に隼人を燃え上がられせたのか、抽挿のスピードが速まっていった。 「湊君、愛してる」 「ふぁ、ぁあ……っ!」  みっちりと隼人のアレを咥え込まされ続けた後ろに、おびただしい精液が注がれる。昨日もHしたはずなのに、どんな性欲してるんだと思った。隼人が俺の孔から性器を引き抜くと、タラリと白濁が零れ落ちていった。 「ゴム付けるの、忘れてたね」 「ね、じゃねえだろ! お前が掃除しろよ」  はいはい、と大人しくキッチンに消える隼人を見送り、衣服を正す。シャツの前ははだけられているわ、ズボンが膝まで下がっているわで散々だ。  ソファの端に置いていたスマホを取り上げ、天気予報を見る。 『昨日から関越地方に大雪をもたらしている低気圧は、数日とどまります』と書いてあった。もしかしたら明日も東京に帰れないかもしれない。  メール画面を呼び出し、遅れそうな原稿はメールで送ると上司に伝えた。返ってきたメールには、打ち合わせや会議はオンラインで出席してほしいと書かれてあった。会社で在宅ワーク化するのも、そんなに難しいことじゃないのかもしれない。  拭いたら捨てるタイプのシートを持って隼人がソファの白い液体を拭いている。 「今度、上司に在宅で仕事がしたいって掛け合ってみる。週に二回でももらえたらラッキーだし、そのうちこっちに住めるようになるかもしれないから」 「湊君、そんなこと考えてくれてたの? 嬉しいよ」  ぎゅっと抱きしめられ、一瞬ほわっとした気分になったが「早く掃除しろ」と促す。甘い顔をするとまたやられてしまいそうだ。 「希望を出すだけだ。通るかどうかは分からないけど」  ダメだったら転職してもいいかもしれない。掃除する隼人を見守りながら、二人で暮らせる日が早く来ますように、と祈った。 【了】
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