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こうして僕はユナと結婚した。当然重役はおかんむりで、僕は出世コースから外されてしまった。それでも超優秀な僕は社内での人望が厚く、その重役が定年を迎えたら、また復活できるだろうと人事部から言われている。
ユナに多額のカードローンがあったり、子供が五人もいたり、背中にタトゥーがあったりと想定外の事実も判明したが、僕はハイスぺ男子なので経済的にも精神的にも乗り切ることができた。
意外にもユナとの結婚生活は毎日トラブルの連続だ。昨日も子供二人の担任教師に呼び出されて学校に行かねばならなかった。ユナが韓流ドラマで韓国語の勉強をするのに忙しいと言うので、僕が会社を早退して行った。
だが、むしろ困難があった方が良いとすら思っている。それでこそ僕が世界一のお婿さんであることを証明できるのだから。
「僕はユナと結婚できて幸せだよ」
「私もだよ。マサル君」
マサルが笑顔で出勤した後、ユナの母親から彼女に電話がかかって来た。
「ユナ、マサルさんとうまく行ってる?」
「また心配の電話? 大丈夫だよ。マサル君は頭良いけど、バカだから」
「あんた、またそんなこと言って……。本当に大丈夫なんでしょうね?」
すると、ユナは笑いながら答えた。
「本当に大丈夫だよ。マサル君は世界一のお婿さんで、私は世界一のお嫁さんなんだからさ!」
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