当然のように一緒ですか!?

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 にこやかな表情でそう告げると、彼は「私室に行こうか」と言って歩き出す。その姿を見て、マーガレットは慌てて彼について行った。  別邸はとてもではないが、別邸とは思えないほど豪奢な造りだった。正直なところ、マーガレットの実家の子爵家よりも数倍豪奢だ。それに少し惨めになるものの、マーガレットは首を横に振ってその感情を打ち消す。 (そうよ。お父様曰く、旦那様が援助をしてくださったおかげで、少しはマシな屋敷になったらしいじゃない)  それを知ったのはつい先日。アードルフから手紙が届き、そんな報告をしてくれたのだ。  それに驚きマーガレットがクローヴィスに礼を告げれば、彼は「妻の家に援助をするのは、当然のことだからね」というだけだった。どうやら、彼にとってこれは当然のことだったらしい。  階段を上り、二階に向かう。そのまま少し進んだところで、クローヴィスは足を止めた。そして、彼はマーガレットの方に視線を向けると、「ここが、部屋ね」と言った後、扉を開ける。 「……うわぁ」  部屋はとても日当たりのいい場所にあった。室内は白色を基調としており、シンプルな内装だ。家具はシンプルながらに高級感を漂わせるデザインのもので揃えられており、上品な印象を与えてくる。  マーガレットが室内に目を奪われていると、クローヴィスに腕を引かれて部屋の中に連れていかれる。彼は持っていた小さなかばんをテーブルの上に置くと、「浴室は、この隣にあるから」と言ってソファーに腰掛けてしまう。
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