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「あぁ、勘違いしないで。マーガレットは元からきれいだよ。……拍車がかかったっていう意味だよ」
そんなことを気にしているわけではない。マーガレットはそう思うものの、抗議の声は口から出ない。クローヴィスのその黒曜石のような目に吸い込まれてしまうかのように、彼を見つめることしか出来ない。
(……美しい)
クローヴィスの目がとても美しく、マーガレットは彼の目をじっと見つめてしまう。それが面白かったのか、クローヴィスはクスリと声を上げて笑った後、マーガレットの頬に当てていた手をするりと移動させ、その細い腰に添える。
「……そんな顔されたら、触れたくなるんだけれど」
その言葉にマーガレットが驚く間もなく、クローヴィスに口づけられる。何度も何度も触れるだけの口づけを与えられ、うっすらと開いた唇をクローヴィスが舌でぺろりと舐める。かと思えば、その口腔内に舌を差し込み、マーガレットの舌を絡め取る。
「……んんっ」
そのまま彼の舌はマーガレットの舌の付け根を重点的に攻め、マーガレットの抵抗する意思を奪っていく。腰が砕けてしまったかのように身体から力が抜け、クローヴィスに縋ってしまう。
「んんっ、ぁ、んぁ」
抵抗することも出来ずにクローヴィスに口腔内を舐め上げられる。その感覚が何となく心地よくて、マーガレットはそっと彼の首に腕を回した。無意識のうちの行動だった。
その胸を押し付けるような形になってしまったからか、クローヴィスの身体が一瞬だけ震える。しかし、その後すぐにマーガレットの唇から自身の唇を離してしまう。
「……ぁ」
それに一抹の寂しさを覚えていれば、マーガレットの膝裏にクローヴィスの手が入ってきた。驚いて目を見開けば、彼はマーガレットの身体を横抱きにし、何処かに運ぼうとする。
(……まさかっ!)
身の危険を感じるよりも先に、マーガレットの身体が寝台に下ろされる。そして、クローヴィス自身も寝台に乗り上げてきた。
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