11人が本棚に入れています
本棚に追加
一月十五日
一月十五日。
何でもないはずの日だが、うちでは毎年ケーキを食べる。
「何でケーキ?」
「特別な日だからよ」
お母さんはそれだけ言ってテーブルにナイフを置いて、皿とフォークを用意した。
今まで何度も聞いたけど教えてくれたことはない。
盛大に何かを祝うようには見えないが、ただプレートも乗っていないホールケーキを家族で食べる。
まぁ、多少夕飯が豪華な気がするだけ。
ケーキが出てこなかったら気にならないレベル。
なのに毎年一月十五日。
いつも同じ日だと気づいたのはいつだっただろう。
最初のコメントを投稿しよう!