年下の男の子

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終業時間になり、会社を出ると 「川田さん、今日も一緒に帰りましょう」 佐原くんが人懐こく声をかけ、小走りで追いついてきた。 …可愛い。体は大きいけど、走り寄ってくる様はまるで子犬のようだ。 いけない、いけない。私は自分に言い聞かせるように首を左右に振ると 「ごめんね。今日もスーパーに寄らなきゃいけないから」 「だから、それもお付き合いさせてくださいよ。荷物持ちもやります。俺、川田さんのファンですから。昨日言ったでしょ」 「エコバッグから飛び出してるネギのファンなんでしょ」 「ははは!そうです。ネギ!ネギのファンです」 佐原くんは私を追い越し、スーパーへの道を先に行く。2人の間には2メートルほどの距離が空いた。明るいグレーのパーカーのポケットに両方の手を突っ込み、大股で歩いていく。近くを歩く女子高生がチラチラとその姿を盗み見ていた。 やっぱり。かっこいいもんねぇ…。 私は心の中でつぶやいた。
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