年下の男の子

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「あ、ここでいいわ。ありがと」 分かれ道が近づくと私は食材の入ったエコバッグを受け取った。 「川田さん、今月14日、俺の誕生日なんです。一緒に食事に行ってくれませんか」 「え」 「いいでしょ。旦那さん、どうせ帰り遅いんでしょ。大丈夫。俺のオゴリです。レストラン予約しときます!」 一気にそう言うと、昨日と同じように家への道を走り去って行った。その姿を見送る私の胸には、「愛しい」という想いがとめどなく湧き上がってくるのであった。
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