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幼なじみ
「隆、お前最近、バイトばっかりしてるんだって?」
俺の名前は佐原隆。中陵大学の3年生だ。
大学の食堂で啓介に声をかけられた。奴は人妻キラーで有名だ。一部の女子学生からは「女の敵」と呼ばれて毛嫌いされている。しかし実際、男の俺から見ても、色気のある奴だ。
「ああ。サークル顔出せてなくて、悪いな」
「どうせ、バイト先に落としたい女でもいるんだろ」
啓介がからかい気味に発した言葉に、ドキリとした。
そうだ。確かに、俺には好きな女がいる。
けれど「落としたい女」という表現はあまりにも彼女にそぐわない。俺に彼女をどうにかできるなどとは考えてもいない。ただひたすら、彼女の視界に入りたいだけだ。彼女のあの澄んだ瞳に俺の姿を一秒でも長く映したい。
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