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「お前とは違うよ。社会勉強だよ。お前も少しは世の中ってもんを勉強しろよバカ」
啓介は
「バカやろ。遊びを知らない男は仕事もできねぇんだよ」
生意気な口ききやがる。俺はそのまま立ち去ろうとしたが、思い直した。たまにはマジメにこいつの話を聞いてみるか。
「…なぁ啓介、ちょっと時間あるか?」
「なんだ。やっぱり女のことかよ」
啓介は笑うと俺の腕を掴んで食堂の椅子に座らせ、自分も隣に腰掛けた。明るい茶色に染めた軽い髪。切れ長の目に形の良い鼻と唇。髪を黒く染めてスーツでも着せれば、さぞかし品の良いビジネスマン風になるに違いない。しかし、口を開くと出てくるのは女の話ばかりだ。
そのくせ学業成績は優秀だから解せない。おおかた、優秀な頭脳をもったファンの皆様にご協力願っているのだろう。
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