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ペンションに戻り、奥さんとの約束通りフロントに寄る。
「ただいま。気球からの景色、とっても素敵でした。まるで花の絨毯!」
「良かったわね、おかえりなさい。さて、さて、プレゼントね。ちょっと待ってね」
奥さんはフロントの奥に引っ込み、何やら短く電話をかけている。
「はい、おまたせ。行きましょうか」
私の手を取ると2階に向かう。彼女は、私の部屋とは違う客室の前で足を止めた。
「え、部屋を移るんですか、私?」
「ううん、この部屋に、プレゼントを用意してるの。ドアを開けてみて。そぉっとね」
「えぇ?」
「ふふふ、じゃあね」
彼女は笑って手を振ると階下に消えて行く。
私はドアを開けた。言われた通り、そぉっと…。
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