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彼は言った。
「俺はさ、『相手と日常を共有する』ってことだと思うんだよね。つまり、結婚も単純な日常の繰り返し。でもその相手が自分の心から愛した人なら、日常は何倍にもキラキラと輝きだすんじゃないかって思うんだ」
隆くんは私の両手を握り、二人は向き合って立つ形になった。周りにはラベンダー畑の紫色がどこまでも広がっている。
「俺は、沙耶さんと出会ってからずっと思ってた。『この人の日常が欲しい』『この人の日常の一部になりたい』って」
「隆くん…」
「沙耶さん、君の日常を僕にください。これから先、ずっとずっと、一緒に歩いて行ってほしいんだ」
彼は私の大好きな、愛しい笑顔で言った。
「結婚してください」
ああ、私の顔はもう、涙でボロボロだ。答えはもちろんイエスだ。決まってる。
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