年下の男の子

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「この人、旦那さんのためにどんな料理作るのかな、とか想像しちゃって一人で悶々としたりして。変ですかね、俺」 思わず見上げた。すると、彼は私と視線を合わせた。少し頬を紅くして、しっかりと口元を引き結んでいた。 「…話し過ぎちゃったな。すいません」 それからは二人とも無言で歩いた。歩きながら、私は、フワフワと足元がおぼつかないような気分だった。分かれ道のところまで来ると彼は私に荷物を渡し 「持てますか?」 と訊いた。私が頷くと無言で会釈をし、自分が買った分のレジ袋を提げて猛然と走り去って行った。若々しい走りだ。 彼の走って行った方向にちょうど夕日が沈んでいくところだった。私はまぶしくそれを見た。彼の姿が夕日と混じって霞んで見えた。
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