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遭遇
10月14日。今日は俺の誕生日。そして、憧れの川田さんとの待ちに待ったデートの日だ。
午後5時、アルバイトを終え帰り支度を整えた俺は、川田さんの席に向かう。
「昨日、手紙読んでもらえましたか」
小声で訊くと、彼女は小さく頷いた。
「よかった。じゃ、18時に待ってます」
事務所のドアを開け、外に出る。するとすぐ後ろを、エリナが続いて出てきた。
「隆、一緒に帰ろう」
「ああ、いいよ。分かれ道のとこまでな」
俺とエリナの家はごく近所なのだ。エリナは唇を尖らせ
「つれないなあ。どうせ予定ないんでしょ、今日がお誕生日の隆くん。私が付き合ってあげようって言ってんの」
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